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30代半ばの時に未経験で会計事務所にパートで入社しました。
会計事務所は特殊な業種なので、「未経験でも可」と募集を見かけてもその言葉を鵜呑みにして丸腰で挑んではいけません。
私自身はいちパートで、採用する立場ではないので偉そうには言えません…。しかし、一年以上会計事務所に勤務し面接の選考にも参加させていただいた(少人数ならでは⁈)経験は、今就活する人にとって何かしらのヒントにはなるのではと思います。
- 初めて会計事務所(税理士事務所)のパート求人に応募したいが、実際やっていけそうか自信がない。
- 少人数の個人事務所に応募しようとしている(規模の大きいところだと組織的なやり方が定着していると思うのであまり参考にならないかも?)
「未経験OK」と聞くと、一般的には「知識がなくても大丈夫」「簡単な雑務」というイメージですが、会計事務所においては事情が異なります。
パートの仕事は顧問先から預かった資料を会計ソフトに入力する作業がメインかと思います。確かに慣れれば単純作業ですが、簿記、Excel、入力作業はどれも一朝一夕で身につくものではない上に、数字を扱うセンスも必要。
一方で、一人の担当者ごとに多くの顧客を抱えているため、現実にはパート一人の育成に割く時間は限られており、たとえパートでも、ある程度自発的に学習していく必要はあります。
「会計事務 パート きつい」で検索するとまるでブラック企業のような内容の口コミがたくさんでてきます。もちろん本当にブラックな事務所もあるかもしれませんが、個人的には、求職者側にも想定の甘さがあったのではないかなぁ…と思うような口コミも見かけます。
せっかく入社が決まっても、働きだしてから認識のズレに気づくのは辛いですよね…。なので、私なりに会計事務所の現場目線から「未経験OK」の意味を解説してみようと思います。
いきなり結論ですが、「実務は未経験でも、基礎知識や適性次第で伸びしろに期待している」つまり、「入社時は未経験でも慣れてきたら決算や申告くらいまではしてほしい」というのが本音だと思います。(完全に業務を分担している事務所は決算の手前までしかさせないこともありますが)
パートにそんな難しいことさせるの?!と思われるかもしれません。事務所によるでしょうが、そのくらいの心づもりでいた方がいいでしょう。
税理士先生としては、顧問先とのコミュニケーションを大切にしながら、いかに新規顧客を開拓して収益を確保するかに注力したいので、仕訳入力や申告書作成などの「やって当然」の事務作業はできるだけコストをかけずに捌きたいと思っているからです。
本音は「経験者に来てほしい!」ですが、特に数人の個人事務所だと職員同士の相性がとても大切になってくるので、「優秀なベテランでも職場の輪を乱しそうなやつ」よりかは「未経験でも他の職員と仲良くやってくれそうな人」の中から将来有望な人だけを選んでいる、というのが真実だと思います。
そのような背景からすると、教える側としては、「素直で真面目な人」を取りたいのではないでしょうか。
正直私も過去の仕訳を見て「なんでそのやり方?」と思うようなことはあります。しかし事情があって仕方なく、ということもあるので素直に指示を受け入れています(後々理解が追いつくこともあるので)。←まぁどうしても気になることはさり気なく聞くんですけどね!あと、そもそも期日までに資料を回収すること自体が難しかったりするので、現実問題として決算を間に合わせるには、税額に影響しない程度の細かいことはゴニョゴニョ。
もし仮に変に意識高い系の人が来て、「前職とやり方が違う!簿記のテキストと違う!」なんて言われても困るし、説得する時間も無駄…。なので、文句を言わずに今までのやり方を忠実に再現してくれる人って、それだけですごくありがたいのではないかな、と思います(というか、未経験だと一人で再現できるようになるだけでも数か月かかります…)。
この言葉を真に受けてか簿記3級もとらずに応募される方がいます。「入社してから勉強すればいいや、教えてもらえるみたいだし。」という態度が透けて見えると入社後のギャップを懸念して、お見送りになるケースが多いです。
わかりづらいのですが、事務所側にとっては「資料だけ渡して丸投げしたり、時給に見合わない業務を押し付けるようなことはしませんよ」「わからないことは遠慮せず質問してくださいね」ぐらいのニュアンスだと思います。
そんなの当たり前やん!と言いたくなりますが、パートですら新人に丸投げはよくある業界なのです…(+_+)。しかし逆に考えると、「丁寧に教えます」みたいなことが書いているなら、ブラックな職場に当たるリスクを避けるための判断材料にはなりそう(本当に丁寧に教えてもらえたら超ラッキーですしね!)。
ちなみに私の勤務先でも求人票には「丁寧に教えます」とありましたが、正社員の方は訪問で不在にしていることも多く、何度も同じことを聞ける環境ではありません(とはいえ聞きやすい雰囲気なのと、進捗を丁寧に確認してくださるのはとてもありがたいです)。